MMAという競技をご存知だろうか?
『Mixed Martial Arts』の略称であり、日本語に直すと、『総合格闘技』となる。
Martial Artsとは格闘技を意味し、Mixedは混ぜるや混ざるを意味する。
即ち格闘技を混ぜ合わせたもの、分かりやすく言えば、『何でもあり』ということだ。
世界には様々な格闘技がある。
ボクシング
レスリング
空手
柔道
キックボクシング
サンボ
などなど…
大半の格闘技はかなり大きな範囲で攻撃技に制限がかけられる事が多い。
例えばボクシング
ボクシングはパンチのみを使って、上半身の正面と横だけに攻撃が許されている。
例えばレスリング
打撃は禁止され、組技のみで相手の両肩を地面につけて保持することを競う。
例えば空手
流派にもよるが、オリンピック種目では撃ち込む打撃は禁止され、レスリングや柔道のような本格的な組技、投げ技は禁止である。
例えばブラジリアン柔術
打撃は禁止され、関節技の応酬で勝敗を競う。
このように、殆どの格闘技は禁止にされている行為や技が多く、組技系なら打撃が禁止。打撃系なら組技・寝技禁止という風にハッキリとした線引きがある。
しかし、これは同時に強さの証明を曇らせる一因にもなっている。
要はボクシングの世界チャンピオンとレスリングのオリンピック金メダリスト。どっちが強いの?という話。
これを決めるには、目潰しや金的、後頭部への攻撃などの最低限の禁止事項だけを設けてノールールでやり合うしかない。なぜならボクシングのルールならボクシングの世界チャンピオンが強いし、レスリングルールならレスリングの金メダリストの方が強いからだ。
その何でもありを競技化したのがMMAである。
総合格闘技の原点は1993年、コロラド州デンバーで行われた、『Ultimate Fighting Championship』頭文字をとって、『UFC』と呼ばれている。
最初期の頃は金網の中で、本当に最低限のルールしかなく、制限時間なし、階級制なし、素手で戦うなど、競技というより半ば殺し合いじみたものだった。
それが、オープンフィンガーグローブの開発や厳格なルール規定、階級制の導入などによりスポーツとして発展し、2020年のイギリスのBBCメディア(一度は誰でも聞いた事があるメディアだろう)のスーパーアスリートオブジイヤーに選ばれる選手も輩出している。
日本では知名度が低いが世界の人々からすればUFCのチャンピオンが世界最強の格闘家という認識であり、テニスのウィンブルドンやサッカーのワールドカップのようにニュースでよく見るありふれたスポーツなのだ。
かつては、ボクシングとレスリングはどちらが強いのか?空手と柔道はどちらが強いのか?そういった異種格闘技戦が行われていたが、今では格闘技に拘らず様々な格闘技術を習得し、どの格闘技が1番強いか?ではなく誰が強いか?というところに焦点が当たっている。
今回はこの辺で
次回はMMAにおける戦闘スタイルについて語って行きたいと思う。