spriteの考察日誌 ONE PIECE考察

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幻獣種とニカ

ONE PIECEでは悪魔の実に幻獣種と言うものがある。そこについて見ていこう。

 

① 幻獣種とは

幻獣種とは、伝説や神話上の生き物である。九尾の狐や青龍、フェニックスなどが当てはまる。これらは実際に作中でも登場しており、能力も伝説通りだったりイメージ通りのものを兼ね備えている。

 

② 現実世界にあるもの

採用されている幻獣種は、フェニックスや青龍、九尾の狐など、現実世界の伝説や神話上に存在している幻獣だ。そして能力も大体イメージ通りのものである。

 

伝説や神話以外にも大仏も存在しているので、宗教上の神や概念のようなものも幻獣種として採用される場合もある。

 

このように幻獣種は現実世界の神話、宗教、伝説に登場する生き物や神、概念などがONE PIECE世界でも幻獣という形で登場している。

 

ONE PIECE世界と現実世界

現実世界の神話や宗教などの生き物や神がONE PIECE世界にある以上、そこがリンクしているのは間違いない。その点から考察しているYouTuberさんが沢山いらっしゃる。どのようなものが採用されていて、これからどんなものが採用されそうなのか、それは考察者の方々にお任せするとして、疑問になるのは今までのものは現実世界のものをオマージュとして採用しているところだ。

さらに、作中でもフェニックスや青龍などの能力者を見た時に、登場人物のリアクションや知識量から、現実世界と同等の神話や宗教、童謡や伝説などが存在し、同じような知名度を持っていると言えるだろう。

 

④ ニカの違和感

これまでONE PIECE世界で幻獣と呼ばれているものは、現実世界に存在している神話や伝説、宗教などに登場してくるものであった。そのため、ニカが出てきた時に違和感があったのだ。「ニカってなに?聞いたことないからONE PIECE世界の神か」と思ったのだ。

これは単純にニカという名前の神を聞いたことなかったからONE PIECE上の作者が作った神と思ったのだが、悪魔の実の幻獣種モデルニカとして登場した時にこの考えを疑った。

これまでの規則性が美しい中、物語の整合性を取るために、物語終盤で、これだけ盛り上がってるワノ国編のクライマックスで、ポッと出の作者オリジナルの神を登場させるだろうか?しかもフーズフーが初めてニカの名前を出したが、それまでに一切の伏線がなく、急に登場した時点で、筆者は全く感情移入が出来ず、盛り上がるどころかむしろ冷めてしまったのだ

もちろん、ニカの正体がこれからもっと明かされれば、過去のあの描写がニカに繋がるのか!となるかもしれないし、その先の展開のための伏線を今出したと言えるかもしれないが、作者らしくない伏線の貼り方とも思う。

 

⑤ ニカはオマージュなのかフィクションなのか

今までの傾向的に、急に作者オリジナルの神を登場させるだろうか?むしろ現実世界にもニカという存在があるんじゃないの?と思うのだ。

実際、どのような神話や神、幻獣が現実世界にあるのか筆者は調べてないが、これまでの規則性を考えるなら様々な神の複合やオリジナルの神というのは考えにくいと思う。ましてフーズ・フーが急にニカの名前を出した時に興醒めしてしまった読者は筆者だけではないだろう

 

⑥ メタ的視点におけるニカ

現実世界のどこかに、ニカという神が出てくる神話や童謡などがあったとして、知名度が全くないものを採用するだろうか?

作者はキリスト教オオカミ少年や桃太郎、ガリバー旅行記など、誰もが知ってる神話や童謡、宗教などを頻繁に作中に登場させている。作者の遊び心かもしれないが、ONE PIECEを読むたびに筆者は、作者が読者の琴線を撫でる事を非常に強く意識して描いていると思っている。

 

しかし、登場したのは名も知らぬ神。伏線と言ってもワノ国編のわずか数巻の間に伏線が張られ、ニカという存在が詳しく説明されぬままルフィの能力として登場した。この流れで「おお!ルフィはニカになれるのか!、なんて感動的な展開なんだ!」となるだろうか?まずならない。つまり、感情移入と展開が釣り合ってないということになる。そんな話にこの作者は絶対にしない。

つまり読者の感情を非常に敏感に想定しながら描く作者の描き方と正反対の描写でニカが描かれているのだ。

 

⑦ まとめ

ここまで話を整理しよう。

 

幻獣種は現実世界にある神話や伝説、童謡、宗教から採用されている。

作中でも現実世界とリンクしている伝説や神話、宗教、童謡などがあり知名度も現実世界と同等と言える。

作者は誰でも知っているような神話や伝説、宗教、童謡などを作中で採用し読者を感情移入させたり、楽しませたり、規則性や共通認識を作り上げたりすることを強く意識して描いている。

上記3つとニカの名前出しから能力の覚醒までの描写がまるで一致していない。つまり作者らしくない。

 

①から④までの事を考えると、ニカが現実世界の神話などに登場しているにしろいないにしろ、今後もっと感情移入できるような物語が描かれると考えられる。

これは、「ニカという神に対する説明がない」、「空白の100年に太陽の神に対する出来事がある」「太陽の神や解放の戦士という」など、単に考察系から派生した筆者の考察ネタではない。この記事で書いてある通り、もっと深度の深い所を考えた上での、ニカの背景が描かれるだろうという考えなのだ。

 

このような全く正体の分からない知名度のない神を主人公の能力にし、さらに最終回が決まって逆算式に描かれている物語という事を考えると、感情移入させるためのニカの背景物語は、空白の100年やONE PIECE、世界をひっくり返す事などと、非常に密接している内容だと筆者は思っている。

 

まだまだ一波乱ありそうなワノ国編。今後の展開も楽しみである。