直近の黒ひげのセリフといえば、「海軍に取られるくらいなら俺が貰っちまおう」という発言が有名である。
(絵は妻による描き起こし)
① 何を指しているのか
シンプルにサボのメラメラの実のことだと思った。描写の時系列的にサボの安否不明の後にこの描写があったので、バージェスが取り損ねたメラメラの実を奪いにいく。自然な流れに見える。
② 他には何が当てはまるのか
よく聞く考察として、古代兵器、ハンコック、などを見かける。
確かに趣味が考古学で、力を欲している黒ひげなら古代兵器のことは知ってそうだし、欲しがりそうだ。
黒ひげは捕らえたボニーを俺の女になるならと勧誘していたので、女好きである事が分かってるし、それならハンコックも欲しがりそうだ。
③ 比較考察
古代兵器を取りに行く事は、何も不自然ではないし、黒ひげなら存在や在処を割り出してても違和感はない。
しかし、問題は黒ひげの台詞回しにある。「海軍に取られるぐらいなら」と言っている事だ。これは、別に無理してでも力づくでも手に入れる必要があるわけではないが、他の者の手に渡るよりは自分のモノにしたい、そういう意味になる発言だ。何故なら本当に必要不可欠で何としてでも欲しいものなら、こんな軽い発言はしないし、もう奪いに行っている描写があってもおかしくないはずだ。
さらにこの説の問題点は、ロビンよりも先に黒ひげが古代兵器や空白の100年などのなぞに辿り着いている事が前提だ
。ロビンでも旅をしながらまだ解決してない問題を黒ひげが一足飛びで先を越せるだろうか?
黒ひげが古代兵器にたどり着くほどの秘密を解き明かせるくらいの知識があるなら、とっくに手に入れてるだろうし、黒ひげが解き明かしてなくてもそれに代わる情報を持ってたとしても、それなら他の四皇もとっくに古代兵器を手に入れてるだろう。
もっと言うなら、ここで急に脈絡なく、秘密を解き明かせる知識もない黒ひげが古代兵器の事を指す発言をするだろうか?
前提が既に破綻しているように筆者は見える。
ハンコックについても、「海軍に取られるぐらいなら」が引っかかる。まるで道具や物を指しているように聞こえないだろうか?
いまハンコックは海軍に拿捕されそうになっている。黒ひげは「取られるくらいなら俺が貰う」と言っているが、これはつまり、[ハンコック拿捕]を[取られるくらいなら]がイコールになる事が前提の考え方だ。
「取られる」、と言う事は「取った何かを」「取った者が使う可能性がある」時に出てくる言葉ではないだろうか。人というよりかは道具や物などを指す時に使いそうだ。
無論、人を取ると言う言い方は一般的にも使われるが、ハンコックは海軍によって拿捕されインペルダウンに投獄させられる可能性がある話の中での、「取られるぐらいなら」発言なので、上記の「取られる」が道具や物を指していると仮定した場合、「取られるぐらいなら」は海軍に投獄させられるハンコックを指すようには見えないのだ。
ハンコックの美貌や能力が海賊王の条件でもないだろうから、わざわざ危険冒してまで取りに行くほどのものではないと思う。
そもそもこの説は、海軍拿捕=海軍に取られると黒ひげは認識している事が前提だ。しかしハンコック拿捕=インペルダウン投獄が確定している以上、「投獄」と「取られる」がイコールにならないように読み取れるし、インペルダウンに美女が投獄されたところで黒ひげは困らないだろう。
④ まとめ
つまり、「海軍に取られるぐらいなら俺が貰っちまおう」が、古代兵器の事であるならば、四皇や海軍がとっくに取っていてもおかしくないし、急に脈絡のない古代兵器が出てくるとは思えない。さらに古代兵器ならば黒ひげは何としてでも手に入れるだろうから、「取られるぐらいなら」のような軽い言い方はしないだろう。
ハンコックであるならば、「取られるぐらいなら」と言う言葉が、投獄させられる者を指すようには見えない。「捕まっちまうぐらいなら」という言葉でいいわけだし、どうしても欲しいわけではないが取られたら困るから俺が取りに行くという発言なので、海軍に取られてもインペルダウンに投獄させられるだけなので、ぶっちゃけ問題ないし、海軍とバチバチにやり合ってでも必要な美貌でも能力でもないと思う。
上記のことを考えるとこの発言は、[何としてでも欲しいわけではないが、誰かに取られて使われたりするくらいなら俺が取りに行く]と取れる。
つまり何としてでも欲しいものではなく、取られて誰かに使われると面倒なもの、を指していると考えられる。
さらに描写の流れや話の脈絡的に古代兵器やハンコックとは到底思えない。
それよりかは、バージェスが取り損ねて、能力者狩りを行なっている黒ひげにとって有用なメラメラの実の方が現実的だ。
いずれにせよワノ国編が終わればこの辺の話も進んでいくだろう。