ONE PIECEの最新話で、五老星がCP0と会話を妨害してCP0を脅迫した人物がいる。少し考えてみよう。
(絵は妻による描き起こし)
① 会話の内容
ワノ国の近海にいる世界政府の船からCP0が五老星にワノ国の現状を伝えてるシーンがあった。
そこでは、ルフィの覚醒とズニーシャが消えた事が伝えられた。そして半ば八つ当たりのような形で、五老星から「ニコ・ロビンくらいは連れて帰れるんだろうな」と言われて、「必ず!」と言ったところで妨害が入り、「お前らそこで待ってろ、俺がそっち行くから」というメッセージが入った。
② 状況整理
ロビン拿捕の指令下した直後に、妨害が入り、恐らく五老星側の通信がジャックされて何者かがCP0に向けて話しかけた。「CP0!CP0!!」と言っているのは恐らく五老星だろう。その通信が完全に切り替わり、妨害したものが喋り出すという描写であった。
その内容は、CP0を動かないように制し、そちらに妨害した何者かが行くという流れである。
ここで疑問点と状況を整理していこう
・船は政府の軍であり、恐らく海軍ではない
海軍は元帥のサカズキが「ワノ国は世界政府非加盟国なので軍は送らない」と言っていたので、基本的にワノ国内でのCP0の暗躍や、世界政府とオロチやカイドウの関係性は海軍を介さずにCP0を通して直接政府が関係を持っていたと考えられる。
つまり、ズニーシャが現れた時にワノ国に向かっていた軍艦の数々は五老星またはCP0が直接動かせる海軍以外の軍であり、それを察知した何者かが通信妨害を行うと共にワノ国に向かった、と考えられる。
・そっち行くからはどこ?
そっちというのはどこの事だろうか?
「俺がワノ国に行くからお前らは動かなくていい」ということなのか。それとも、「お前らをワノ国に行かせねえ、白黒つけてやるからそこで待っとけ」なのか、色々可能性が考えられるが、妨害者が向かうのは、ワノ国なのか、CP0のもとなのか、それとも政府の軍なのか、この描写では断定できない。
③ 目的はなんなのか
描写をそのまま捉えるなら、ロビン拿捕の妨害だろう。何せロビン拿捕の命令の直後に通信が遮断されたのだから。
しかし、むしろこの会話の直後に間髪入れずに妨害していることに違和感を覚える。あまりに妨害がスムーズに成功していないか?妨害の仕組みが分からない以上何とも言えないが、CP0と五老星が会話を始めた辺りからすでに妨害の準備は始めていて、ロビン拿捕の話のタイミングでたまたま妨害が成功したとも考えられる。この場合は妨害者の目的がロビン拿捕の妨害ではなくなる。言わば敵と言えるだろう。
しかし、シンプルに描写を信じるなら、ロビン拿捕の話のタイミングで妨害を始めて、ロビンを守るために動き出したと読める。このパターンなら少なくとも敵ではないので、できればこっちのパターンが望ましい。
別の可能性として、妨害者自らロビン拿捕に向かう可能性も捨てきれない。しかし、これはわざわざ五老星との通信を遮断するという危険を犯してまで政府の意向に沿った行動をしているので政府側の者であればあり得ない。であるならば、何らかの第三者がロビン拿捕に向かって動き出しているのではないだろうか?
ワノ国とは、政府でも手が出せない要塞であり、カイドウという最強生物に侍という未知の兵力が存在している国である。つまり近づくどころか、ワノ国の情報すら殆ど外に出ないのが常識である。
つまり、妨害者の条件として、ワノ国の現状を五老星やCP0と同レベルで把握しているか、その目で見ているか、五老星達を盗聴していなければ妨害することすら不可能なのだ。
それならば、シンプルにロビン拿捕を妨害する、またはCP0に恨みを抱いている者が電波妨害して、行動でも妨害しようとしていると考えるのが自然だろう。
④ 誰が妨害したのか
政府側ならわざわざ通信を遮断する必要ないので、五老星側の者ではないだろう。
妨害者の可能性としてあるのは、
① 海賊
② 革命軍
③ 政府側の反抗者
この辺だろうか。
①海賊
最も可能性が低いのではないだろうか。そもそも海賊は海軍から逃げる立場であり、仮に目の前の海軍を倒しても次から次へと押し寄せてくる。つまり戦うだけ海賊側が疲弊してしまう不毛な争いであり、全くメリットがない。四皇が海軍に睨みを効かせられるのは、海軍と消耗戦をしても簡単には倒れない程の人数を持っているからに他ならない。つまり海賊側が海軍と衝突するには相当な理由が必要である。ロビン拿捕はその理由に値するかも知れないが、わざわざ通信を妨害してまで挑む事はしないだろう。
さらに、カイドウ撃破直後という世界に情報が回る前に、四皇が落ちた事を把握し、CP0と五老星の関係や現場の状況を知っている事になる。これは海賊には不可能だろう。加えて、五老星とCP0という恐らくこの世界で最も強い電電虫を使っているであろう両者に妨害できる電電虫と技術を持つものは、少ないだろうし、それが海賊側とは思えないのだ。
②革命軍
あり得そうである。あれだけ簡単にマリージョアに潜入しているくらいだから、五老星やCP0の近くにスパイが紛れていたとしてもおかしくはないし、革命軍なら電電虫の妨害も得意分野だろう。ロビンとも関わりがあり、ルフィとも関わりがあり、敵は世界政府ではなく天竜人としているあたり、物語の整合性も取れそうな気がする。
③ 政府側の反抗者
これもかなりあり得そうだ。それなりに上層部の人間なら五老星を盗聴することも可能だろうし、反抗しているなら政府側のCP0の邪魔をすることも説明できる。ここでそれをやってそうなのは、機密部隊ソードの隊員やそれこそ、カイドウ撃破から7日後のワノ国にやってきた緑牛などがあり得そうだ。あと個人的に青雉が来たら面白いと思う。政府から離れて闇にいる青雉なら五老星を盗聴する事も可能だろうし、ロビンとの関わりもあり、政府と折り合いがついてないので妨害する理由もある。さらに気になるのは口調である。年を取った者の喋り方ではないので、それこそ緑牛や青雉やサボなどの若めのキャラの印象を受けた。
筆者としては、妨害者の可能性としては革命軍または、政府側の反抗者だと思っている。革命軍ならサボ、政府側なら緑牛や青雉かと思われる。
五老星やCP0に盗聴できる技術と立場があり、ロビン拿捕を妨害する理由があり、さらに若い口調の人物。果たして誰なのだろうか?
⑤ タイムラグ
緑牛だった場合、CP0に釘を刺して現場に向かうまで7日かかっていることになる。時間がかかりすぎではないだろうか?ただワノ国に向かうだけならむしろ速いと思うのだが、CP0に釘を刺したくらいでこいつらが止まるとは思えない。むしろ五老星の勅命が下った直後なので脅迫されようがロビン拿捕には必ず向かうだろう。となると緑牛だと釘を刺してから現場に向かうまでCP0にやりだい放題させてしまったことになる。しかし、ルフィ達の余裕っぷりを見るとCP0がロビン拿捕に向けて動いているとは夢にも思ってないだろう。この事から何らかの方法でCP0の行動を妨げた人物がいると考えられる。
⑥ 海軍と政府の軋轢
素直に受け取るなら、ロビン拿捕をさせないために、五老星とCP0の間に電波妨害を行い、実際に行動してCP0を妨害し、ロビンや一味を守った人物がおり、それはCP0の下に直接向かったと考えられる。これをできる立場と妨害技術と戦闘力を考えると、緑牛、青雉、サボくらいしか筆者は思いつかない。ちょうど緑牛はいまワノ国に来たので、緑牛と考えるのが一番妥当だろう。
しかし、これはあくまで政府側の話。海軍はワノ国に関与せずと決め込んでおり、カイドウ撃破直後というのは恐らくサカズキですら四皇が2人墜ちた事を知らないだろう。何故ならワノ国と直接取引をしていたのは海軍をすっ飛ばしてCP0を使って五老星が行っていたからだ。そこに加えてワノ国に関与しないと言っていたのだから通信妨害の時点では海軍側、つまり緑牛が通信妨害したとは考えにくい。
⑥ まとめ
要点をまとめると、この時点で妨害できる人物の条件として
① 四皇撃破とニカの出現を当事者レベル、少なくとも五老星と同じレベルで知っている。
② 五老星とCP0のやり取りを知っていて、さらに盗聴できる技術を持っている。
③ 決戦から7日間、ロビンや一味が無事なので、その間CP0を何らかの手段で阻止できる立場と力を持っている。
④ 恐らく海軍ではない
何故なら、海軍はワノ国に関与しないスタンスなので、ドレークが報告するまで政府が直接ワノ国と関わりがあるのを知らなかった。
つまり、「五老星やCP0がワノ国で怪しい動きをしているから、盗聴したり様子を見よう」と、疑う事すらほぼ不可能。というか発想すら出てこないだろう。
これらの事から、妨害者は相当なスパイ技術とCP0を止めれるだけの武力、五老星やCP0を出し抜くほどの情報を持っている人物と言える。
他に考えられる事として、機密部隊ソードが最初からCP0や五老星を怪しいと考えており、常に盗聴しているとしたら、ソード関係者の海軍の線もある。
むしろ緑牛がソード側でルフィ側に立っていてくれたら個人的には嬉しい。
特に緑牛と藤虎はマリージョアでサボ達と激突しているので、何らかの情報や交渉をしている可能性もある。
さて、この妨害している人物は誰なのだろうか。様々な考察者さんに何とか答えを導き出して欲しい。