2/16に禁止改定が発表された
様々なフォーマットで変更があったが、最も反響があったのがレガシーだろう。
王冠泥棒、オーコ
戦慄衆の秘儀術師
アーカムの天測儀
以上3つが禁止
●禁止改定後のレガシー雑感
レガシーは禁止カードを除く全てのカードが使用可能なフォーマットで、膨大なカードプールとカードパワーの高さにより自浄作用でメタゲームの移り変わりが緩く、新セットのカードが発売されても少々のことでは環境は変わらなかった。
しかし、ここ最近は禁止カードが続出し、元々レガシーを代表していたデッキ達が駆逐されていってるのが現状である。
リアニメイトはオーコによってグリセルブランドが鹿にされ、デルバーに有利とされていたマーベリックは、アルカニストによってアドバンテージを回復され、多色デッキを食い潰すプリズン系のデッキはアーカムによってノーリスクでデッキを回されていた。
新セットが出るたびに、強力なカードを青がつまみ食いにし、新たなアーキタイプが生まれるのではなく、青を使えるデルバーやスノーコのようなフェアデッキや、白の優秀なクリーチャーが登場するたびにバイヤルの力を120%引き出せるデスタクなどが強化されるだけで、他のデッキはそれら強化されたデッキに駆逐され、その3つに一部のコンボデッキが点在するのがここ数年のレガシーの実情である。
昔は思い入れのあるファンデッキでもそれなりに対策がないとtir1のデッキでも飲み込まれる事があった。
しかし、最近のカードはそんな思い入れのあるカードや、伝統的に強いとされていたカード達を簡単に否定し、一部の色や汎用性のあるカードを入れるだけで、デッキに無理なく組み込まれる事で、もはや対策などで必要なく、tir3以下のデッキなどただの有象無象になるほどカードパワーに開きがある。
そのため、今回の禁止改定で喜んだのは古参のプレイヤーや思い入れのあるカードで遊ぶ人達だったろう。
私もマーベリックという古典的なデッキで遊んでいるので、この禁止改定は喜ばしい。
ただ、勝ち逃げされた感があって少々癪だが(笑)
●新環境について
①デルバー
秘密を掘り下げるものデッキはかつての形に戻るだろう
早々にデルバーか、タルモゴイフ、僧院の速槍を着地させ、カウンターで相手の除去や切り札を弾き、除去で相手のブロッカーを排除し、チキンレースを走り切るという形へ原点回帰する。
ティムールか、イゼット、グリクシスか、様々な形があるが、基本的な動きは昔のクロックパーミッションだろう。
もみ消しが採用されるかは、デルバー使いの環境理解に託されると思う。
②スノーコ
アーカムの天測儀とオーコが禁止された事によってデッキ自体が消滅するだろう。
一応、キーカードであった、ウーロやコアトルはいるものの、かつてほど手軽に対策とアドバンテージとフィニッシャーを用意できなくなったので、一部のカードは使われるだろうが、レオヴォルドなどを使ったスゥルタイ系にシフトするかもしれない。
または、コラガンの命令やハンデスにアクセスできるグリクシス型も強力だ。
どちらにせよ、突然の衰微と剣を鋤にと意志の力を同時搭載しながら不毛の大地に耐性があるような構築は不可能だろう。
③デスタク
完全に漁夫の利を得た非青フェアデッキの代表。
オーコやアルカニストなどのカードが強すぎて気づかれてないが、霊気の薬瓶を使うデッキの中で最も安定して強く、強化の上限がないデッキと言ってもいい。
何せ色が白か無色であればなんでも採用できる。他の部族デッキが羨むほどの来るもの拒まずなアーキタイプである。
最近ではスカイクレイブの亡霊を手に入れ、瞬速で2/2を出しつつ土地以外のパーマネントを追放除去できるようになった。え?強すぎん?禁止にしよ
オーコやアルカニストみたいな強力カードを作ると対策カードが弱いままじゃ環境が壊れてしまう。だから、対策カードとして白のヘイトベアーを作ろうね、白の除去はリング系で弱いから発展させたよ、的なノリでドンドン強化されていってる。
当然、その程度では止まらないほどカードパワーの高いカードばかりなので、強力なカードは禁止にされ、結果デスタクは強化されて一人勝ち状況と言っていい。
アルカニストやオーコがいなくなった今、デルバーとスニークショウに有利なデッキとして使用者も増えるだろう。
④青白石鍛治
愛用者の多い石鍛治デッキ
オーコによって装備品を、アルカニストによってアドバンテージを取られていた石鍛治デッキだが、天敵がまとめていなくなったので、青いミッドレンジデッキとして活躍が予想される。
テンポ的には最悪だが、2ターン目に出せる脅威としては最強レベルで、カウンターでバックアップしながら繰り出す動きは単純ながらも強力。
当然、ネメシスも十手握って襲ってくるため対策しとかないと一気に持っていかれる地力の強さも兼ね備えてる。
⑤奇跡
元レガシー最強のコントロールデッキ。
1マナでインスタントタイミングでラスゴ打てるデッキが弱いわけない。
リアニメイトにも、デスタクにも、その他雑多なデッキにも安定して戦える。
基本土地も多く、不毛や特殊地形対策に強く、自身が使うこともできる。
扱いは難しいが、このデッキを使う人は上手い人ばかりだろうから、デメリットとは言えない。
レガシーのコントロールといえば奇跡そんな事が言える日が戻ってきたかもしれない。
1マナのラスゴ、4/4飛行の天使X体、ライブラリー操作をするPW、安定したマナ基盤。強い要素しかない。
1ゲーム目は早めに投了してサイド後全勝する事を勧める。
⑥プリズン系
虚空の杯と血染めの月を高速で叩きつけるデッキ。
アーカムでマナ基盤、オーコでチャリスを対策される事が減るので一定数戻ってくる事が予想される。
デルバー系を始めとする青いデッキに強く、何気にデスタクなども機能不全になるなど強力なデッキ。
初手ブッパするのでカウンターを掻い潜る必要があるが、そんな事をケアするような繊細な人は別のデッキを使おう。
⑦リアニメイト
初手ブッパするレガシーの代表的なコンボデッキ。
ハンデスによる妨害とリアニメイトする動きが一体化しており、メインから対処するのはカウンターがない限りほぼ不可能。
メインをとってサイド後一本落として、最後に先手を取る。
メインとサイドの勝ち方がまさに肉を切らせて骨を断つ。
コンボ一辺倒かと思いきやマナ加速から素出しプランもあるため、対処がかなり難しい。MMAにおけるボクレス系の選手を相手にするときのような難しさを要求されるデッキ。
パンチの防御をしようとすると、タックルの防御が出来なくなるように、一方の対策をすると、もう一方が手薄になるため、カウンターがないデッキは結構厳しい。デスタクにも勝ちうるデッキの一つだろう。
⑧ショーテル系
レガシーの代表的なコンボデッキ第2弾。
筆者の勝率が異常に低いデッキで、コミュニティでは有名。
数あるコンボデッキの中でも特に筆者が苦手と感じるデッキの一つ。
しかし、リアニメイトと同じで負けても嫌な気分にならない。
実物提示教育からエムラクールかグリセルブランドを出す、もしくは全知を置くデッキ。
デスタクはこのデッキに強い事で評価を上げている。
無論、カラカスを複数枚積んでない非青デッキではあまり勝ち目のないアーキタイプ。
こちらも、フィニッシャーをオーコによって鹿にされていたので復権する可能性がある。
⑨ホガーク
リアニメイトとは一風変わった墓地利用デッキ。
リアニメイトが大物一体で勝負を決めようとするのに対し、こちらは物量で攻めていく。
リアニメイトと違い、墓地から戻ってくる条件が緩かったり、複数体同時に戻ってきたりするので、メインでの対処法は限られる。
キルターンも早く生半可な除去では凌げない場合が多々ある。
サイド後に全勝するしか基本は勝ち目がないと思う。
コントロールデッキが単体除去主体のスノーコから、全体除去主体の奇跡に変わる可能性が高いため、数を減らすかもしれない。特に終末が墓地ではなくライブラリーの1番下なのも再展開しづらいため、相性的にも最悪だろう。
⑩マーベリック
筆者の愛用デッキ
マナクリから聖遺の騎士を叩きつけたり、不毛の大地を出しながらサリアを出してハメていったり、相手の妨害をしながら制圧していく。それがマーベリックである。
緑の太陽の頂点で、状況に応じた緑のクリーチャーをサーチできるのも強み。
しかし、昨今のカードパワーの波に飲み込まれて、マーベリックのようなグッドスタッフ的なスタイルでは勝つのが難しくなってきている。
環境的には追い風だが、周りのカードパワーと差がどんどん開いているので、勝ち抜くのが難しい状態。
早く、窒息の大魔術師と1マナ1/2のマナクリをください。
環境は良い方向に変わるだろうと思う。ただ、デッキを弄りはするものの、コロナのせいで店舗でプレイできないので、あまりモチベが上がらないのも事実。
しかし、前のように有利だった相手に惨敗したり、似たアーキタイプの優遇っぷりもあってかつてほどの盛り上がりがない。
店舗で遊べればまた違うんだろうけど。
早くレガシーできるようになるといいなぁ。