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バトルタワー考察② 思考について

バトルタワーの連勝を重ねる上でパーティの構築とプレイング、そしてゲームプランというのは非常に重要な部分だ。

 

受けを重視して負けにくい構築にするのか?攻めを重視して強引に突破する構築にするのか?

人それぞれだが、筆者が忘れつつも気をつけようとしているところを共有したい。

 

途中に挟む例え話がポケモンとは全く異なるもので、文字ばかりの長文になるが最後まで付き合っていただけたら幸いである。

 

① ゲームプラン

TCGなどのカードゲームでよく重要視される要素の一つにゲームプランがある。

 

TCGでは初手は完全に運で決まるため、その初手で勝ちに行く事ができるか?または相手のゲームプランに対処できるか?

主にこの2つを基準に初手をキープするか否かを決める。

ゲームプランがハッキリしていると、カードの取捨選択が素早く的確にできるため、ゲームプランの遂行と変更に気を配らなければならない。

 

ポケモンのバトルタワーでも同じことが言える。

このパーティの勝ち筋は何なのか?その勝ち筋を潰されないのか?自分の負け筋を無くすことができるのか?

こういった部分を考えてパーティを構築していかなければならない。

 

 

② ゲームに勝つことがゴール

バトルタワーをやり込めばやり込むほど、忘れがちというか軽視してしまう事がある。それがゲームに勝つということだ。

 

よくあるパターンとして、思いつく限りベストなパーティを構築して挑んだが、相手の状態異常系ポケモンや一撃必殺技でひたすら運ゲーを仕掛けて来るポケモン、耐久力と眠るを盾に積み技を使ってくるポケモンなどに負けてしまう。

これはバトルタワーに挑んだ事がある人なら1度は体験した事があるだろう。

 

この自信のあるパーティで相手の運ゲーや積み技に敗れた時に、人は反省して改良し、再び挑むのだがその改良されたパーティが受け一辺倒になっていることはないだろうか?

 

例えば、一撃必殺技で負けたなら特性がんじょうもちを入れる。物理アタッカーに負けたから物理受けを用意して特殊アタッカーが怖いから特殊受けを用意して状態異常系もめんどくさいから身代わり持ちを用意して、などなど。

知らず知らずに受け重視のパーティになり、それならいっそのこと振り切ってしまえ!となり受け一辺倒なパーティになってしまう場合がある。

 

これはこれで正解だが、一つ気をつけておかなければならないのは、ポケモンは受けるゲームではなく、勝つゲームということだ。

 

一度負けてしまうと、同じ負けはしたくないと思ってその負け筋を潰す方に意識がいってしまう。

それ自体は大切な事だが、大事なのはその負け筋を潰すことではなく負け筋を乗り越えて勝つことなのだ。

制限時間まで生き残ればいいなら話は別だが、相手のポケモンを全て倒すことが勝利の定義である以上、一貫して受けに回る必要はない。

 

一度の敗北が致命的なバトルタワー。

同じ負け方はしたくない、負けなければ勝てるという思考になってしまいがちだが、それはすなわち相手のゲームプランに付き合うという事でもあるのだ。

 

 

③ 攻撃こそ最大の防御

ここで1つ例え話をしよう。

 

格闘技の最高峰UFCで行われたミドル級タイトルマッチ。

史上最強の絶対王者と呼ばれるアンデウソン・シウバ

相手を挑発するトラッシュトークで有名なレスラー、チェール・ソネン

 

この2人のタイトルマッチは、シウバの一方的な虐殺劇が予想されたが、試合が始まると予想は大外れして、シウバはコテンパンに叩きのめされていた。

筆者も含め、世界中の誰もが絶対王者アンデウソン・シウバの負けを確信したが、世界でただ1人、シウバだけが依然として勝利を狙っていたのだ。

 

総合格闘技は5分5ラウンドで行われていて、最終5ラウンドまでシウバは完全にサンドバッグ状態だった。

チェールはマウントを取り、ひたすらシウバを殴り続けていたが、強いパンチを打つためにチェールが手の位置を変えようとしたその瞬間に、シウバは三角締めを仕掛けて相手がディフェンスしたところに腕ひしぎ三角絞めへと切り替えて、再びチャンピオンとして立ち上がった。

一瞬の油断が生んだほんの10秒ほどで試合は完全に別物となり、チェールは敗北という対価を払い、シウバは勝利を手にした。

 

なぜ、こんなポケモンと関係ない話をしたかというと、この試合がTCGやバトルタワーのパーティ構築からプレイングにいたるまで重要な要素を濃縮しているからだ。

 

・マインドの切り替え

人は長らく一つの思考を続けているとそれを変えることができない。

もっと言うなら思考が変わっている事に気づいていない事がある。

 

バトルタワーで、相手の爪や粉、ラムの実、急所、怯みなどでペースを乱されて守勢に回ったことはないだろうか?

数ターン凌げばまた巻き返せると思って凌ぐ事を第一にする。

これは正解であるが、その数ターンが予想より伸びたり、あるいはその数ターンの防御的思考を次の対戦に持ち込んでしまったりしている経験はないだろうか?筆者はある。それはまさしくこのブログの最初の100連勝パーティが105人目の2回目の金リラに負けた時がこの状況だった。

ラティオスの瞑想を積まれる前に毒殺してラグラージとの対面でカビゴン戦を始めなければ勝てないパーティだったのにも関わらず、ハピナスで小さくなるを積んでラティオスの瞑想を止めれず火力が上がったラティオスラグラージを交代させる事ができなかった。

これにより、ラグラージの対面からカビゴン戦を始める事が出来ず負けてしまった。

これはそれまでの大半の敵をハピナスの小さくなるで耐久するプランで勝ってきたがために、リラ用のゲームプランにマインドを切り替えれなかったのだ。

 

守りと攻めの切り替え、特定のポケモンに対するパーティの回し方などを、常にスムーズに切り替えできなければ、攻めるべきタイミングで守備的思考のゲームプランを選択してしまう。

 

長らくの間防御的な思考を続けていると、プレイヤーの意識は “勝つこと” ではなく “死なないこと” に向いてしまうのだ。

 

シウバは筆者のような一般人とは違い、20分間ボコボコに殴られていたにも関わらず勝つための隙を見逃さなかった。

普通、20分間ボコボコにされていたら次のパンチを貰わないような思考になり、守備的なゲームプランになってしまう。

最終ラウンドまでサンドバッグだったシウバは判定で負けてしまうことは明白だったので、自身が勝つにはノックアウトするか関節技で勝つしか方法は残されていない。そしてシウバは自身が何をすべきか分かっていた。

 

この試合は、守備的な思考から攻撃的な思考へ変更する部分と、自身の勝ち筋を見失わず一貫してプレイすることの重要性を教えてくれる。

 

・攻撃こそ最大の敗因

③の見出しと逆説的だが実際に格闘技でも攻撃する瞬間がカウンターをもらう瞬間でもあり、敗北する可能性の高い一瞬でもある。

 

むやみやたらと攻撃ばかりしていると、その攻めが通用しなかったり、受け切られたり、強烈な返し技をされたりして負けてしまう。

フルアタ構成のパーティがあまり勧められないのはそういった理由からだ。

特にポケモンは格闘技とは違い絡め手が非常に多く、確率で発動するアイテムも豊富なためフルアタ構成だと隙を突かれやすい。

 

先程の格闘技の例えでいうと、チェールが強いパンチを打つために手の位置を変えた部分がまさにそうだ。

手堅く判定勝ちを狙えば隙を見せずに勝てたのに、攻めの意識が強く出たためその一瞬の隙を突かれて負けてしまった。

 

攻めるだけではなく、受けること、手堅く堅実にゲームを進めることも非常に重要な事である。

 

・防御こそ最大の敗因

一つ前と全く違う事を言っているが、実際受けに回ることは敗北に近づいていることと同義である。

 

勿論、バトルタワーでは基本的に受けに回った方がいい。それはバトルタワーをやり込んでいる人なら誰しも分かっていると思う。筆者もそうだ。

 

しかし、問題点もある。

それは相手のゲームプランに付き合ってしまっていると言う事だ。

 

耐久力の高いポケモンで毒殺する。プレッシャーや身代わり守る分身食べ残しでPPを枯らす。色んなやり方があるが受けを重視するということは、基本的に相手に相手のゲームプランを実行する時間を与えているのと同じ事だ。

 

もちろん、相手の絡め手に引っかかり負けてしまう事がある以上、受けて受けて受けまくるポケモンが必要であり、強い事は重々承知している。

しかし、それは相手も積み技を使ったり、メロメロなどの身代わり貫通する妨害を行なってきたり、運ゲーアイテムからの一撃必殺技を連打してきたり、などいくらでもこちらの負け筋を押し付ける時間を与えていると言う事なのだ。

 

それらを全て受けきるというのも一つの方法だが正直かなり厳しい。

 

例えばラティオスメタグロスなどの攻撃力の高いポケモンがいれば相手が積み技なり状態異常技なり仕掛けて来る前に仕留める事ができる。

これは言い換えるとノーリスクで相手の勝ち筋を潰していると言える。

これが受け一辺倒のパーティであれば、どんな雑魚ポケモン相手にも受けるところから始めなければならない。つまり相手の勝ちパターンに付き合いながら時間をかけて負け筋を潰す作業になると言う事だ。

受けに回りすぎて逆に隙を晒している事にも注意したい。

 

・攻守のバランス

世界初のTCGである、マジック・ザ・ギャザリング(ここではMTGと略させてもらう。)では、「スライ」と呼ばれるデッキがある。(デッキとは自分が集めた好きなカードの束である。)

 

スライとは、パワーは低いがコストの軽いカードをガンガン使って相手のライフポイントを削り、相手が相手のゲームをする前に勝つことを目的とした、超速攻デッキのことだ。

 

これは、バトルタワーでも同じ事が言える。剣の舞を覚えたアーマルドや龍の舞や瞑想を覚えたラティ系など、相手のポケモンが攻撃する準備をしている間に押し切ってしまうと言うのも重要な戦略だ。

 

ここを、身代わり守る+プレッシャーや、いちゃもん+守る、身代わり分身などで受けるのも素晴らしいプランだが時間がかかってしまう。PPを数えたり細かく敵ポケモンリストを見てひたすら負け筋を潰すのは非常に疲れるゲームプランだ。

それよりかは速攻で相手のゲームをさせない間に倒してしまった方がいい。

 

しかし、相手のポケモンも耐久力があって受けてくるので、そう上手くはいかないからやはり耐久力のあるポケモンも必要だろう。

 

攻撃を重視しすぎると、チェールのように受けられている間に隙を突かれて負けてしまう。

受けを重視しすぎると勝つチャンスを見逃してしまったり、相手のゲームプランに支配されたりしてしまう。

最も気をつけなければならないのは、受けパーティを使いつづけると、思考が受けに回りすぎて、受け切れない相手や交代するべき相手、そして攻めなければ勝てない相手の見極めが難しくなる事だ。

 

相手の勝ち筋に付き合いながら、負けない戦いをするというのは時間も集中力も使うので、攻守のバランスを上手く考えていかなければならない。

 

自身のパーティを見直した時に必要以上にどちらかに偏っていたり、勝ち筋が薄くないか、見直してみよう。

 

④ 思考というゲーム

相手の致命的な打撃は防ぎつつ、長時間防御に徹してながらも隙を見逃さなかったシウバ。

20分間殴り続けてきたものの決定打を防がれ、攻撃の隙を突かれたチェール。

 

この試合ではふたつの教訓が得られる。

まずひとつ目に、自分が守る側であった場合のゴールは実際にゲームに勝つことであって長く生き長らえることではないということだ。

 

ゲームに勝つためには何をする必要があるのか?守りを固めつつ、それと同時に勝利へ向かう道はあるのか?今の自分は防御的な思考に支配されてないか?ここで攻めた場合隙を突かれないか?

こういった事を一つ一つ熟慮する事が大切だ。

 

例えば、前に負けたことがあるポケモンが出てきた時に、守備的なプレイをして勝つことができた。しかし、控えのポケモンが出た時に、先程のプレイを捨てて全く新しい勝つためのプランを立てることができるか。これが重要なのだ。

 

前に負けたポケモンと似ているが自分が勝つためのプランが前に負けたポケモンに当てはまらない場合にしっかりゲームプランを変えなければならない。

そして守備的な思考に囚われていると、この切り替えが非常に困難になる。

 

ゲームに勝つために守備的なプレイングや構築は必要だが、負けにくい戦いばかりしていると、勝ちに行く戦いを自分でも気づかないうちに出来てない事がある。

勝ち筋はしっかり立てながら相手のポケモンに合わせた思考の切り替えが非常に大切だ。

 

 

ふたつ目は、対戦相手に余分にターンを与えてしまえば、思い付きもしなかった負け筋を辿る可能性は広がってしまうと言う事だ。

爪ドリルで3タテされた。メロメロ瞑想を止めれず3タテされた。怯み急所でエースポケモンを潰された。プレイミスをした。

もはや負け筋は無限にあると言っていい。

 

かといって安全にプレイしようとすればするほど、薄い負け筋でしかなかったはずの急所+怯みや高火力となった悪あがき、を引き当てるだけの時間を与えていることと同義といえる。

 

筆者は、のべつ幕なしに攻めまくれとか速攻で倒さなければならないとか、予想している負け筋をケアするなとか、受けるパーティを使うなとか、言ってる訳ではない。

シウバ対チェールの試合は、攻撃がひどい防御に繋がってしまうということを教えてくれる。

この試合をシウバ側ではなく、チェール側の視点から見たときに、対戦相手に時間を与えるということが、どれほど大きな対価を払う結果を招いてしまうのか。そして、我々の脳はそれに伴うリスクの数々を上手く計算できるようにはできていないということを常に頭の片隅に置いておかなければならない。

 

バトルタワーは不確定要素が多く、対戦するポケモンや持ち物、乱数などの確率がある以上、攻めるパーティだけでも受けるパーティだけでも、安定した攻略は難しい。

 

ひたすら死んで覚えていくしかない。長々と喋ったが、経験こそが最高の教師となるだろう。