前回黒ひげの発言を取り上げた記事を書いたが、最新話までの情報を整理して考察していきたい。
① 前回の記事の内容
黒ひげの発言「海軍に取られるぐらいなら俺が貰っちまおう」このセリフが何を指しているのかついて論じた。
巷の説では、古代兵器説やハンコック説が囁かれていたが、サボの話をしている最中でのこのセリフなので古代兵器と脈絡的に結びつかず、古代兵器なら「取られるぐらいなら」という軽い言葉ではなく、「海軍に取られる前に何としてでも取りに行くぞ!」このような言い回しになるというのを根拠に否定した。
ハンコック説なら、美人好きと言ってもそこまでするほどではないし、「取られるぐらいなら」という物を対象にした言い回し、「取られるぐらいなら」という言い回しを逆算するとその意図は、「取られた物」で不利益を被るから先に取りに行くというものになる。つまり人ではなさそうだし、人だとしてもハンコックは不利益にならないだろう。
このことから両説を否定してサボのメラメラの実が狙いということでまとめさせてもらった。
② 最新話までの情報
最新話までで、レヴェリー編でいくつかわかった事がある。
① くまの奪還の成功
② 革命軍の全員が逃亡に成功
③ コブラ王が死亡
④ ビビが消息不明
⑤ チャルロス聖殺害未遂
⑥ 神の騎士団の介入
この辺くらいか。
革命軍はくまの奪還に成功し、全員逃亡に成功した。しかし、サボのみカマバッカ王国にいないので、どこかに潜伏しているはずだ。
そして報道ではサボがコブラ王を殺害したと報じられており、かつビビも失踪している。ここを考察していきたい。
③ 黒ひげの狙いはアラバスタ王国
この一択ではなかろうか。
国王の死亡、後継の王女の失踪、それらの報道の後にあの発言をした事から導き出されるのは、王不在の王国の乗っ取り。これしか考えられない。
これはレヴェリー編の時系列と今回明かされた情報を照らし合わせただけだ。
レヴェリー編で、みんなが「サボ…ウソだろ…」などのリアクションをしていたが、その内容はサボの死亡や投獄ではなく、サボがコブラ王を殺害したという内容だった。
そして間髪入れずその直後に黒ひげが「取られるぐらいなら俺が貰っちまおう」の発言をしていることから、これらは関連していると考える方が自然である。
サボのコブラ王殺害のニュースを見た革命軍やゴア王国のリアクション→黒ひげの発言→サボが起こした殺害事件に関する事を示している→国王がおらず跡継ぎがいないアラバスタ←黒ひげの狙い
このようになるだろう。
つまり、サボがコブラ王殺害の報道の後に黒ひげがあの発言をした事から、黒ひげの狙いは、サボが起こした事件の後に国王不在の国であるアラバスタしか考えられず、時系列視点のみで考えるともはやこの一択と言っていい。おあつらえ向きに古代兵器とも関わりがある。
④ 考察
国王と後継ぎ不在の世界政府加盟国がどういう扱いをされるのか不明だが、恐らく世界政府の直轄地のようなものになるのではないだろうか。
それを知っていて、かつ王と後継ぎ不在の報道を見た黒ひげはあの発言をしたのではないだろうか。
アラバスタに古代兵器との繋がりがあるのは、闇の組織のネットワークでは簡単に転がっているだろうから、黒ひげが知っていてもおかしくはない。
前回の記事では、脈絡がなく古代兵器が狙いなら軽い発言はしないというのを根拠に古代兵器説を否定したが、今回の説は狙いはアラバスタであり、プルトンが存在しているかは定かではないということを黒ひげが知っていたら、このような軽い発言になっても不自然さはないので成り立つだろう。
また、黒ひげの目的に古代兵器は必ずしも必要ではないのかもしれない。
目的達成のために古代兵器は必須ではないないが、あったらあったで達成が容易になるため、機会があれば手に入れたい。王不在という好機に、放置してれば政府の直轄地になるため動きだした。こう考えると辻褄が合う。
もし本当に必要ならばもっと前からアラバスタに行くだろうし、アラバスタに向かった理由が、王不在で古代兵器を簡単に手に入れられるからだとすると、あのような軽い言葉にならない。
何故なら本当に必要なものに対して、「取られるぐらいなら」という言い回しはしないからだ。「何としても取りに行くぞ」こうなるはずである。
また、これについて古代兵器を狙うならワノ国なんじゃないの?と思う方がいるかもしれないが、それは読者視点である。
我々はスキヤキからプルトンがワノ国にある事を知っているが、ワンピース世界の住人として考えると、黒ひげがレヴェリー編のこの時点で知っているはずがない。
この時点では我々読者もプルトンはアラバスタにあると信じて疑わなかったし、ワノ国にあるなんて誰も想像していなかった。
そして、いくら闇の組織といえど、クロコダイルがプルトンを狙って失敗したくらいの情報しかないだろう。
何故ならアラバスタ編のあの時にプルトンを記したポーネグリフとその内容を知っていたのは、アルバーナの地下にいたロビンとコブラ王だけで、彼らは情報を出す人物ではないし、そんな描写はない。また魚人島のネプチューンに謝罪文の全文が伝わってなかったように、コブラ王にもプルトンの全文が伝わっているかは不明確だ。大まかな場所は知ってても細かい場所や封印の解き方、動かし方などは知らないと考える方が自然ではないだろうか。
つまり、これまでの描写で考えるに、プルトンがワノ国にある事を知っているのは、スキヤキ、ロビン、ロー、ぎりぎりコブラ王くらいでこれらは現時点でカリブー以外に漏れていない。
それならばレヴェリー編のあの時点では、闇の組織にある情報も「プルトンはアラバスタにある」「クロコダイルは入手に失敗した」この辺で止まっていると考えなければならない。
黒ひげの発言はあくまで、カリブーに情報が漏れる前の時系列であるレヴェリー編の時点でなので、その時点で黒ひげ及び闇の組織がワノ国にプルトンがあることを知ることはできない。
これならば、アラバスタが政府直轄地になる事で古代兵器を海軍に取られると思った黒ひげが、王不在の好機にアラバスタに向かうという流れは不自然ではない。
自身の目的に必須というわけではないが、敵に取られたら自身の目的が達成できず、逆に運良く手に入れられたなら目的達成に大きく近づく。このような魂胆があれば、前回の古代兵器説の否定的根拠を解決できる。
何故なら、闇の組織や黒ひげは今もアラバスタにプルトンがあると思っており、また、黒ひげの目的達成に古代兵器が必須でないならあのような軽い発言でも違和感はない。
④ まとめ
黒ひげの発言があったレヴェリー編時点の情報と新たに出てきた情報を照らし合わせると答えが見えて来る。
つまり、黒ひげには何らかの目的があり、それを達成するために古代兵器は必須ではないが、ある方がいいし、取られたら達成が困難になる。
その上で、古代兵器があるとされるアラバスタの王と後継ぎが不在という状況が生まれ、放置すると政府の直轄地になる可能性があり、そうなってしまえばアラバスタだけでなく古代兵器やその手がかりも政府の手に渡ってしまう。だからアラバスタまたはその地にあるとされるプルトンを取りに行った。
このように考えられる。
もし、黒ひげが古代兵器を本当に必要だとしていたら、もっと前からアラバスタを狙って動き出してなければおかしい。
仮にクロコダイルの一件から海軍の監視が厳しかったとしても、その海軍の力を削ぐように動くはずだ。しかし、そういった描写は見当たらず、海軍が戦力が裂かれているのは、8カ国革命と七武海拿捕、クロスギルドのせいであり、これらは明らかに黒ひげが意図したものではない。
七武海は世界政府加盟国によって決定したものであり、クロスギルドもそれに伴った動きである。8カ国革命もサボのコブラ王殺害によって動き始めた感じがあるので、これと黒ひげの影響下にはないだろう。
黒ひげが古代兵器を必要としていたなら、上記の様な条件を自ら作っていなければおかしいが、実際はただ運良く成り行きでアラバスタに隙ができたに過ぎない。
これらの事から、黒ひげの目的達成のために古代兵器は必要ないと言える。もしかすると古代兵器を使わずとも目的を達成するプランがあるのかもしれない。
用意周到な黒ひげが古代兵器を必要としていて、でもその計画は「いつか海軍が手薄にならないかな」と待ってるだけなら用意周到は黒ひげらしくない。
黒ひげなら周到な計画を立てるだろうし、だからこそあんな軽い発言もしないだろう。これはつまり、黒ひげ的には古代兵器はあったら嬉しいが無くても問題ないという認識と捉えていいではないか。
この説は黒ひげが古代兵器について知らない可能性はないだろう。取りに行くと言ったら古代兵器っぽくね?というのを根拠にしていない。
あくまで黒ひげの発言の軽々しさの違和感から出発し、そこから逆算式に何故軽い発言になったのかを考察してようやくこの結論に至るのだ。
古代兵器が必須ではないからこそ、「取られるぐらいなら俺が貰っちまおう」という軽い発言になったと考えられる。
そんな中あのような事件が起こり、それによって政府の直轄地になるなら、あのタイミングであのような軽い発言をして動くのは納得できるのではないだろうか。
結局、黒ひげの目的はアラバスタ、ひいては古代兵器というところで落ち着いてしまった。(笑)
しかし、これは単に黒ひげが古代兵器を狙いそうというのではなく、黒ひげの言い回しや時系列など様々な要素を考えた結果同じ答えに行き着いたに過ぎない。
本当はもっと想像力を働かせた方が良い考察ができるのだろうが、残念ながら筆者は想像力が極端に乏しいため、これ以上飛躍した考察ができない。(笑)
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(絵は妻による描き起こし)
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