(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
① 結論
領域展開とは、自分の心の中に相手を閉じ込める技である。
閉じない領域は簡易領域と同じ理屈で成立している。筆者はこのように考察している。
自分の心の中なのだから自分が思う事は何でもできるはず。だからステータスも上昇するし、術式も必中になるし、術式のポテンシャルも120%まで引き出せるし、解釈も拡大できる。
つまり、領域に術式を付与しているから必中になるというより、自分の心の中だからそれくらいできて当然だよね。という理屈でもあるのではないだろうか。
② 領域展開のポイント
- 結界の構築
- 生得領域の具現化
- 術式の付与
- 術式の必中
- 環境要因によるステータス上昇
様々なメリットがあるが、今回注目するのは、結界の構築と、生得領域の具現化とステータス上昇という部分。
③ 心の中
生得領域とは心の中であり、それを現実世界に結界を構築してその中で具現化する。それによって術式が必中になったり、ステータスが上昇する。
これは言い換えると、身体の中にある心を身体から結界に移すという事になるのではないか?
肉体の中に心があり、その中に魂が存在している。作中で明言されたわけではないが、作中の描写からそう考えて間違いない。
宿儺の生得領域の中に、虎杖と宿儺が存在していた。心の中だからというより、心という生得領域の中に虎杖と宿儺の形をした魂が存在していると考えた方が自然だろう。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
実際、真人が魂に触れた時、宿儺のみが描かれたわけではなく、宿儺の生得領域が描かれ、その中に宿儺が鎮座していたのでこの理屈は正しいはず。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
つまり、結界内が体内と同じ役割を果たす事で生得領域が具現化されるのだ。本人の心の中なので術式が必中になったり、ステータスが上昇するのも当然だろう。
④ 結界
身体が一つの領域のようなものという説明がファンブックに存在する。つまり、心とは何がしかの器がなければ存在できないのだ。
身体という器に心があり、心という器に魂が存在する。これが呪術廻戦での方程式だろう。
心を現実世界に具現化するには結界という器が必要。だから水槽がないのに水を溜める事が不可能なように、結界を閉じずに心を具現化するのは神業と言われるのだろう。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
⑤ 閉じない領域と簡易領域
閉じない領域といえど結界を構築している。
伏魔御厨子の説明の際も結界を閉じないという言葉があったし、九十九も羂索の領域をなんて強力な結界と言っているから、閉じない領域であっても結界は存在しているはず。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
しかし、閉じない結界などが成立するのだろうか?
実は閉じない領域同様、侵入も離脱も可能な領域が存在する。簡易領域だ。つまり、閉じない領域も簡易領域と同じ理屈で成り立っているのではないだろうか?
閉じない結界とは言え結界は結界。何がしかの境界線を引いているはず。
それが簡易領域のあの白い円なのだろう。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
本来はそこに帷や閉じる領域のような黒い壁が張られるはずだが、それを張らない事で文字通り簡易的に結界術が苦手な者でも領域を作る事を成立させているのではないだろうか?
つまり閉じない領域も境界線は作るが結界の壁を作らない。
壁がないのに生得領域をどうやって維持しているのかが、日下部や鹿紫雲たちは理解できなかったのだろう。
だが、壁がないだけで結界としての境界線は存在している。その境界線を軸として甚爾や真希のように空気を壁として認識する事で生得領域を具現化しているのではないだろうか?
⑥ 簡易領域の仕様
簡易領域に領域という文字が入っている以上、本人のパーソナルスペース、いわゆる心の中だったり肉体の中だったりが展開されてるはず。だが簡易領域に生得領域が具現化されてる描写はない。
簡易領域は生得領域を具現化できる容量がなく、誰でも侵入も離脱も可能な、不完全な領域といえる。しかし、不完全とは言え領域は領域。相手の領域の結界を中和する事ができる。これは恐らく陀艮戦で陀艮の領域から逃げるため伏黒が領域展開して穴を開けたのと同じ理屈だろう。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
つまり、簡易領域とは自身のパーソナルスペースを無理矢理作る事で、相手の領域を構成している結界に穴を開け、文字通りの空白地帯を作っているのだ。
それ故に術式や生得領域を付与するだけの容量を持たない。
恐らく簡易領域は
- 生得領域や術式を付与、具現化しない
- 侵入も離脱も可能である
- 相手の結界内でも使えるように閉じない結界を構築する
- 閉じる結界だと、現実世界と領域内の体積が違うので結界を構築しにくい
- 相手の結界に空白地帯を作る事で術式の付与された結界の中和が実現する
このような仕様なのだろう。
⑦ 彌虚葛籠
簡易領域の原型、彌虚葛籠。
簡易領域と同等の性能を持つ。
これは簡易領域と違い閉じている結界なのではないだろうか?
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
恐らくだが、領域内では体積が掴みにくいので、結界を構築するのが難しいのだ。
伏黒が「スケールの違う擬似空間を重ねるイメージが湧かない」と言っていたように、体積が違う場合、結界の起点を設定しにくいのだろう。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
だから簡易領域は結界を閉じない事で、結界術が苦手な者でも結界を作り領域(パーソナルスペース)とする事で、領域対策を実現したのだろう。
彌虚葛籠は文字に籠が入っており、簡易領域とは違い、明らかに壁が構築されている。つまり、閉じる結界なのだ。
領域展開をした主は結界の座標を好きにズラせる。ただでさえ、領域内は広大な空間が広がっていて体積が掴みづらいのに、座標まで移動するのだから、そこで閉じる結界を張るのは相当難易度が高いだろう。奥義と言われるだけはある技術だ。
(引用:呪術廻戦/著者芥見下々)
それを結界を閉じない事で簡易化したものが簡易領域。だから彌虚葛籠は簡易領域の原型と言われているのだろう。
ただ、閉じる結界の分メリットもあるはず。
例えば簡易領域より削られにくいなどが考えられるだろう。
先ほども述べたが簡易領域は閉じない結界であり、言わば「この線より中に入ったら切る」と言ったものだ。
通常の結界と違い分断する壁がないのだから簡単に削られるだろう。
一方、彌虚葛籠はキチンと壁を作っている。そのため、領域に削られるスピードもかなり遅いのではないだろうか?
つまり、彌虚葛籠は
- 閉じる結界である
- 領域内で結界を作るから、簡易領域同様、相手の領域に穴を開け空白地帯の安全圏を作り出す
- 簡易領域と違い、壁があるため削られる速度が遅い
- 閉じる結界のため、相手の領域の体積と座標を正確に把握しなければ結界の起点を設定するのが難しい
簡易領域は
- 彌虚葛籠を簡単にしたもの
- 壁を作らないので領域の体積や座標に左右されない分、展開も簡単
- 壁を作らないので簡単に削られてしまう
このような仕様差があるのではないだろうか?
⑧ まとめ
領域展開とは
- 結界を構築
- 構築した結界で生得領域の具現化
- 肉体にある心(生得領域)を結界に移すのと同義
- 領域内にいるものは領域の主の心の中にいるのと同義
- 心の中のため本人の思い通りになるから、ステータス上昇、術式のポテンシャル120%解放、術式の必中などのメリットが生まれる
- 簡易領域は侵入も離脱も出来ることから閉じない領域と同じ仕様である
- 閉じない領域は結界を閉じてないだけで結界は張られている
- 閉じない結界とは、帷や通常の領域展開のように、物理的に空間を遮断する黒い壁を張らない
- 閉じない結界とは境界線を引き、そこを結界の外殻とするが、壁を構築しないので、侵入も離脱も可能
- 閉じない領域は、境界線を引き、帷のような壁を張らないが、空気を面として壁として捉えることで、生得領域の具現化を実現している
- 彌虚葛籠は閉じる結界である
- 壁を作る結界は、相手の領域内は体積の把握が難しく、座標もズラされるので、結界の起点を作るのが難しい
- 彌虚葛籠は壁を作るので、相手の領域に削られる速度が遅い、時間稼ぎの性能は簡易領域より上
このようにまとめられる。
領域展開とは、帷のような黒い壁で空間を分断し、その中で生得領域を具現化する。
閉じない領域とは、結界の境界線を引くが帷のような黒い壁を構築しないため、侵入も離脱も可能。境界線の空気を面として捉える事で、生得領域の具現化を行う。
閉じる領域も閉じない領域も、相手を自分の心の中に居る状態にしている。心の中なので、思う通りのことが実現できる。そのためステータス上昇、術式の必中効果、術式のポテンシャル120%解放などが得られる。
簡易領域も閉じない領域同様、侵入離脱が可能なため、閉じない結界を使っていると考えられる。しかし、生得領域や術式を付与するほどの容量はないため、相手の領域に穴のような空白地帯を生み出し、結界を中和して安全圏を確保する技術。
彌虚葛籠は対領域の効果としては簡易領域と同じ理屈で成り立っている。
しかし、彌虚葛籠は壁を作るので領域に削られる速度が遅いため時間稼ぎになる。
ここまでの考察は作中の描写から憶測した筆者の仮説でしかないが、このような仮説が最強対決の行末に関わるかもしれない。